新・珍獣様のいろいろ がぼちゃんねる

No.1027の記事

モンゴル料理シリンゴル

 昨日は日本橋に用事があったので、ついでに巣鴨まで足をのばしてシリンゴルというモンゴル料理屋さんに行ってきました。シリンゴルというのは内蒙古自治区にある錫林郭勒(しりんごる)という地方の名前からとったんでしょうか。お店はけっこう有名で、テレビでも何度か紹介されたのを見たことがあります。

シリンゴル
営業時間 18:00〜22:30(L.O.21:50)
東京都文京区千石4−11−9 大進ビル1F
 巣鴨駅から徒歩10分くらい。国道17号からちょこっと入った住宅街にあって場所がわかりにくいので、初めて行く時は地図をよく確認してから行ったほうがいいです。

 公式サイトがないみたいなので(昔はあった気がするんだけどなー)いろんなグルメ紹介サイトのURLを。
http://tokyo.gourmet.livedoor.com/restaurant/info/7770.html
http://gourmet.yahoo.co.jp/0000727858/P018337/
http://r.tabelog.com/tokyo/rstdtl/13005632/


 存在自体は昔から知っていたのですが、実際に食べに行ったのは初めて。知人と一緒だったので、ここはひとつお大尽と行こうということになり、3000円のコース料理をたのみました。以下は二人分のメニュー。

1. お通し:揚げ菓子とミルク茶
 お茶は磚茶(=プーアル茶)を牛乳で割ったものです。このお店では牛乳を使ってるそうですが、草原で遊牧をしてる人たちは羊や馬の乳で作るそうです。西洋のミルクティーと違って砂糖ではなく、岩塩で塩味をつけて飲むのがモンゴル流。揚げ菓子は小麦粉の生地をくるくるんとねじって丸めたもので、たぶん中華菓子なんだと思います。そのまま食べたり、お茶にひたして食べたりします。

2. 前菜:ジャガイモの冷菜と豆腐の冷菜
 モンゴルではもともと冷たい料理をあまり食べないそうですが、中華料理の影響で内モンゴルの料理には冷菜があるそうです。ジャガイモは千切りにしてよく水に晒し、さっと茹でて中華風のドレッシングで和えた感じのものでした。ぱっと見「もやし?」と思うくらい透明感があって面白い料理でした。豆腐は中華冷奴。

3. 羊の叉焼(ちゃーしゅー)
 羊の肉で作った叉焼です。

4. 羊肉のボーズ(包子)とバンシ(羊水餃子)
 モンゴル・内蒙古では肉といえば羊。蒸し饅頭(包子)も餃子も中身は羊でした。

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5. モンゴル風の春餅(ちゅんぴん)
 春餅は小麦粉を薄く焼いたクレープみたいなやつ。春巻の皮のようなものですね。北京ダックと同じように、甘味噌を塗って、野菜や春雨や肉を巻いて食べます。モンゴル流は羊肉。とにかく羊!

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6. チャンサン・マハ(羊肉の塩茹)
 羊の腿肉を二時間くらい塩茹でにしたものだそうです。骨付きのまま、ちゃんと刃のついたナイフと一緒にバーンと出てきます。かなりの迫力。ものすごいボリューム! これ一皿でお腹一杯になってしまうほど。

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7. シュルテ・ホール(羊肉うどん)
 チャンサン・マハの茹で汁を使い、味を調えたものをスープにして、小麦粉で作ったうどんを入れたものです。テレビでこれと同じものをモンゴルラーメンって紹介してるのを見たことがありますが、ラーメンというより日本のうどんに近いです。スープの味が塩味で、具が羊なのがモンゴル風!

8: デザート:揚げパン
 お通しで出てくるのとは別の中華風の四角い揚げパンです。味はほとんどついていなくてコンデンスミルクをつけて食べます。素朴で美味しいお菓子です。

飲み物:アイラグ(馬乳酒)
 これはコースには含まれていないので、別料金でたのみました。蒸留していない馬の乳のお酒です。一見すると飲むヨーグルトそっくりで、飲んでみると日本酒をヨーグルトで割ったみたいな味。これがまあ、ものすごく美味しいんです。いくらでも飲めちゃう。アルコール度数はそれほど高くなさそうでした。

 料理の味付けは塩が基本です。 内蒙古は岩塩の産地でお茶に入れるのにテーブルにも岩塩がありましたが、氷みたいに透明で、とても美しい岩塩でした。料理の塩味も岩塩でつけてるみたいで、どの料理もカツンと塩味が効いてます。そこが中華料理とはちょっと違う点。ちょっと塩辛いんだけど、アイラグやミルク入りのお茶を飲みながら食べるとサッパリして美味しかった。

 20時からほとんど毎晩、馬頭琴のライブがあるみたいです。演奏者はチンゲルトさんというプロの馬頭琴奏者で、内蒙古で30年、日本で12年も演奏活動をしているそうです(お店で料理を作ってるのもチンゲルトさん)。モンゴルの音楽は日本民謡の音階にちょっと似てます。追分や、牛追い歌とそっくりの節回しの曲もあります。

 馬頭琴といえば『スーホの白い馬』という絵本が有名です。日本ではこれが小学校の教科書に載っていた時期があるので、馬頭琴という楽器を知ってる人はとても多いんです。でも、どんな音がするのか、どんなふうに演奏するか知ってる人は少ないですよね。

「そんなの知ってる。弾きかたはチェロと一緒だよ!」

そう思った人は半分正解で、半分ハズレ。チェロは弦を上からおさえるけど、馬頭琴は弦の下に指をいれて、上にひっぱりあげて音階を作るんです。

 モンゴルという名前だけは誰でも知っているので身近な国のような気がしてますが、ふと考えてみると知らないことだらけ。

 モンゴルがどこにあるか知ってますか? 中国とロシアの間にあるモンゴル国だけじゃなく、中国に「内蒙古自治区」という、モンゴル人が住んでいる地域があります。ここも、モンゴル。

 モンゴルではどんな言葉を話しているのか、どんな文字を使っているのか、観光で行くとしたら、どこから飛行機に乗ればいいのか、遊牧民族なので羊や馬の肉や乳は豊富にあるだろうけど、野菜はどんなものを作っているのか(そもそも畑をやってるモンゴル人はいるのか?)などなど、考えてみると何も知らないんですよね、モンゴル。

 そんな謎だらけのモンゴルを、より身近に感じられるお店でした。

Quack URL 2007年01月30日(火)15:43

こんにちは、はじめまして。
山海経について調べていたら珍獣さんのサイトにたどり着き、以後ひそかに愛読させていただいておりました。
シリンゴル、何年か前に行ったことがあります。茹でた羊がなんとも野生的な味で美味しかったのを思い出しました。
それにしても馬乳酒を飲まれたとはうらやましい。私が行ったときには品切れで悔しかったです。日本酒で割ったヨーグルトか…美味しそう。ぜひリベンジしに行かなきゃいけませんね。
ではでは、今後もかげながら応援させていただきます。

珍獣ららむ〜 2007年01月31日(水)12:17

 Quackさん、こんにちは。うちのはかなりトンデモ……って自分で言っちゃいかんですね。大真面目ですよ、ええ(笑)今後ともよろしくおねがいします。

 馬乳酒はほんとに美味しかったですよ。ぜひリベンジしてください。たしかヤギ乳のお酒もありましたよ。500mlのボトルで2980円くらいしたので飲みませんでしたけど、次はこれにチャレンジしたいです。