洪水から村を救った獅子頭 |
埼玉県三郷市の昔話。 文化四年六月の大雨で洪水がおこり、あたり一帯が水に沈んでしまいそうになりました。 被害を食い止めるには対岸の桜堤を壊して水を流さなければなりません。けれど、桜堤には堤を守る役人がいて、そう簡単に許可をもらえそうもありませんでした。 このままでは三郷一帯が水に沈み、大勢の死人が出るでしょう。
船にかがり火をたき、荒れ狂う大場川を無事に渡れるようにと、先頭には三つの獅子頭を乗せて対岸へとこぎ出しました。 すると、どうでしょう。
そのおかげで堤は壊され、三郷の被害は防ぐことができたのですが、このとき船に乗っていた兄弟は、濁流に流されて二度と帰ってきませんでした。 地元にはもとから三頭の獅子が舞う行事がありましたが、その後この出来事を記念する舞もくわわり、現在でも七月の第一日曜日を最終日とする三日間のお祭りで奉納されています。
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◆こぼれ話◆
いやはや、わたくし最近、精神的にも物理的にもめちゃくちゃなもので、ある日、やけくそな気持ちになってあてもなく北へ北へと歩いて行きました。 そこで香取宮という神社を見つけて、由来書きを読んでいたらこのお話が! もうね、運命かと。このサイトやりつづけろって神様が言ってるとしか思えなーい。 ってなわけで、今後も大まじめに、かつお気楽にがんばりまーす。 ちなみに文中では「大場川」と書きましたが、当時は別の名前だったと聞いてます。その川は今もあるし、桜堤も現存してます。わたくしは葛飾区の住人なんですけど、対岸の三郷にこんなお話が残ってるなんてぜーんぜん知りませんでした。 そういえば、カスリン台風の時にも桜堤がじゃまになって水が引かず、米軍を呼んできて破壊したけどやっぱり洪水になっちゃったーなんて話も聞いたことがあります。桜堤は、ふだんは洪水から近隣を守っているのですが、たまにそのせいでかえって水がたまっちゃうことがあるんですよね。
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