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全釈漢文大系33『山海経・列仙伝』復刊リクエスト
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全釈漢文体系(全33巻)復刊リクエスト
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暑いんだよ、文句ある?

暑いんですよ
文句ある?


 
5月1日(水)
 となりの家に遊びたい盛りの子猫が3匹いるものだから、がぼ様(うちの猫)が、そわそわ落ち着かない毎日なのです。
 そりゃそうよね、家のまわりは がぼ様のなわばりだったはずなのに、突然あらわれたチビどもにオシッコまきちらされて、にゃーにゃー鳴かれちゃったら、いくら温厚な がぼ様でも心おだやかじゃなくなるってものなのだわ。
 そのせいか、近ごろよくトイレじゃない場所でオシッコをなさるのです。昨日も掛け布団の上でそそうをなさっておられまして、気づいたのが夜中だったので、もうあきらめて別の布団に寝てしまいました。
 そんなこんなで、今日はおしごとを早めにきりあげて、夕方から大々的に洗濯などいたしました。ああ、げっそり。とりあえず、がぼ様トイレを今まで以上にきれいにしておこうと心に誓うわたくしでした。

 おとなりのおチビさんたち、ウンチのほうも元気いっぱいで、うちのベランダに置いてあったプランターがわりの発泡スチロールの箱の中で、もりもりウンチをなさっておられます。これは猫飼いの宿命なので、たとえよそのうちの猫のウンチでも当然かたづけてさしあげるのです。
 猫のウンチって、食べてるものによってにおいがぜんぜん違うのね。がぼ様はドライフードを主に食べてるせいか、さほど臭くはないのですが(それでも製造直後のウンチはちょっと臭い)、おチビさんたちのウンチはあきらかに肉食動物のものとわかる強烈なにおいを発しています。
 よく猫ぎらいの人が、庭によその猫がきて糞をするといって怒り狂っているのを見かけますが、今回ばかりはその気持ちがちょっとわかりました。たしかにこれは、猫に愛がなければたえられないかもしれなひ……ぐえっぷ。
 でも、おとなりの猫たちは妙なところでお行儀がよくて、ほかのプランターには見向きもせず、最初に決めた箱の中だけでウンチをしているみたい。ありがたいやら、クサイやら。その調子でずっとこの箱でウンチしてくださいね。


 
 
5月2日(木)
 諸般の事情でなんか疲れたので、今日はおしごとをサボリました。

 天気がいいので葛西臨海公園まで散歩に行ってみると、ちょうど引き潮で一番とおくにある杭のところまで歩いて行けました。
 潮だまりにハゼか何かの稚魚たくさんいて、それを目当てに何かの鳥がキャッキャッと鋭く鳴きながらダイビングしてました。ちゃんと数えなかったけれど 10羽くらいいたと思います。2〜3メートルくらいの高さから、水面めがけて落ちるように急降下して、水面につくか付かないかのところで 180度反転してまた空へもどるという動きを何度も何度もくりかえしています。

 カモメに似たシルエットですが、ユリカモメよりずっと小さくて、まるで折り紙でつくったみたいに細身で、敏捷にとびまわる鳥でした。カモメよりツバメに似ています。色は全体に白っぽくて頭のてっぺんだけ真っ黒。たぶん、コアジサシじゃないかと思うのですが、もしかするとアジサシかもしれません。
 家にかえって見分け方をしらべたら、アジサシはくちばしが黒く、コアジサシは黄色だそうです。ううむ、くちばしの色まで記憶にないわね。こういうのはあらかじめ知っていないと、目が行かないものなのよねえ。

 ところで、潮のひいた砂浜に、長さ 5〜7センチ 太さが直径にして 2センチくらいのゼラチン状の透明な物体が無数に落ちているのですが、これは一体なんなのかしら。
 さわってみると、かなり水分が多いらしく、指の間からすべり落ちてしまうほどやわらかいものでした。
 ちなみにミズクラゲの死体も落ちてましたが、それとはまったく別のものです。何かの卵でしょうか。写真とってくればよかったかな。
 

[追記]
 写真とってきました
 こんなやつなんですよ〜(下の写真をクリックすると、砂に半分埋まってる状態の写真を開きます)。こういうのが、全盛期には潮のひいた浜辺にうげぇぇぇっと言うほど落ちてます。一体なんなのでしょう。
謎の物体
 

 
 
5月3日(金)憲法記念日
 なんか疲れたと思っていたら、どうやら本格的に風邪をひいたようです。朝から喉がいたくて、お腹の調子もなんだか変よ。お昼ちかくになると急に身体のふしぶしが痛くなって、だんだん熱っぽくなってまいりました。
 ちぇ、これが昨日だったらサボりじゃなくて病欠だったのに〜。仕方ないので薬飲んで寝ました。
 

5月4日(土)国民の休日
 薬がきいたのか、はたまた野生の治癒力のおかげか、風邪はどうやら治ったようです。日記の更新をしたり、掲示板のログをまとめたり、いろいろしてみたりする。


 
 
5月5日(日)こどもの日
 気がついたら玄関先の花壇がすっかり整理されていた。花の終わったポピーが全部ぬかれている。花壇はアパートのものなので、大家さんがしてくれたのかもしれない。
 が、しかし。サッパリした花壇は、さっそくおとなりのおチビさんたちのトイレと化しているのだった。ちなみに今日のウンチはちょっぴりゆるめである。ううむ、なんか悪いものでも食べたのかしら。
 とにかく、このままでは文字通りかんばしくありませんわね。対策をねらなくては。花が植わってたときには少なくともウンチはしてなかったし、何か植えておけば大丈夫なのかも。
 何か植えておけば?
 おおっ、これはもしかして花壇を私物化するちゃ〜んす。
 というわけで、いろいろ買い込んできて、有無をいわさず植えてしまいました。ええ、大家さんには「猫よけです」と言い張っておくから大丈夫なのです、おほほほ。

 おチビさんたち。ちょうど可愛い時期の子猫なんだよねえ。
 も〜、ウンチくらい片づけてあげるから、花壇はおやめなさいってば。元プランターだった箱は君たちのトイレ用に進呈するので、そこでしておくれよねえ。

[追記]
 猫の飼い方にはいろんな考え方があるし、珍獣としても外で自由にあそびまわっている猫は見ていて楽しいのだけれど、都会っちゅーのはとにかく家ばかり多くて、猫が安心してクソだのシーコだのできる場所といえば公園の砂場やよそのおうちの庭先ばかり。
 猫のクソのひとつやふたつ、目くじらたてずに片づけてやれよと思う反面、動物ぎらいの人にとって、ひとんちの猫のクソを片づけさせられるのは屈辱的かもしれず。わたくしだって猫や犬のなら片づけるけど、人糞は絶対にイヤですし。
 そう思うと、カワイイ子猫があっちこっちでウンチしてまわってるのを、ほほえましく見守ってばかりもいられないのよねえ。よそで嫌われるくらいなら、うちのスチロール箱でブリブリしてってほしいなあ。

 ところが、最近はとんとお見限りで、せっかく提供したトイレにはウンチをしていないみたい。それどころか家のまわりで姿をみかけなくなってしまったのよね。
 よそにもらわれて行ったのかもしれないけれど、母親猫の姿も見ないので、ひょっとして親子で修行の旅にでも出ているのかしら。達者でなぁ、ウンチだけは邪魔にならないところでしろよぉ。


 
 
5月7日(火)
 あれほど猛威をふるったウィルスですが、連休に入って以来、ぱったりと来なくなりました。休みでパソコンを立ち上げないせいかとも思ったのですが、休みがあけた今日もウィルス付きメールは来ないのです。さすがにみなさん慌てて駆除したようですわね。よかったですわ。

 かわりに見知らぬメールサーバから
「は〜い、ダーリン、君が送ってきた gyousei というファイルには KLEZ ウィルスが仕込まれていたから削除しておいたよ」
と、英語のお知らせメールがとどきました(サーバによっては、ウィルスメールが来るとこういうのを自動で返してくれるみたいなのよ)。そういえば同じファイル名でうちにも KLEZ が来てたわよ。差出人がわたくしのメールアドレスになっていたわ。でも、うちには gyousei なんて名前のファイルはないので、うちから出ていったものではないのよね〜(怒)

 そういえば、まるっきり知らないサイトから、自動返信のメールで「ご来訪ありがとうございます。またいらしてください」とお礼のメールがとどきました。おそらくそれも、from がわたくしのアドレスになっているウィルスメールが、どこかの広告業者のパソコンから発信されたせいでございましょう。
 思わずそのサイトを見に行ってしまいました。防災関連のサイトで……うげっ、このサイトの管理者のメールアドレス見たことある。ええ、そうなのです、そのアドレスからも KLEZ が届いてるのですぅぅ。
 どうやら、同じ広告を受け取ってる人々の間で愛の交換KLAZ状態とあいなっているのです。でも実際に送ってるのは from の人じゃなく、どこの誰ともわからない広告業者のパソコンなのね。どんより。
 
 

 それはともかく、また風邪がひどくなってきたようなのです。今度は咳がとまらないぃぃ。何かというと呼吸器にくる体質になってしまいました。
 デジタルなウィルスばかりか、生もののウィルスにもやられるとは、踏んだりけったりなのです、ゲホゲホ。


 
 
5月8日(水)
 あいかわらず咳がとまりません。仕事は早めに終わりにして帰りました。

 しばらく前にクサイチゴの花を見た場所に寄ってみましたが、まだ実は成ってませんでした。いや、でも今年は春がみょうに早いし、もしかしてもう実が終わっちゃった? う〜ん、もうしばらく様子を見てみようっと。
 

5月9日(木)
 ぜんぜんダメです。咳がとまりません。咳だけで熱はないのですが、咳をしてると疲れるのです。
 

5月10日(金)
 ダメなので医者に行くことにしました。
 朝から雨がふってましたが、近所に出来たナントカいう病院にでかけてみたのですが、行ってみてびっくり、半端じゃなく巨大な総合病院で、こりゃ〜、風邪でいきなり来るようなとこじゃないわ。
 まあ、風邪も立派な病気なのでみてはもらえるでしょう。でも、お財布の中身が心細かったので、どこかに郵便局でもないかとあたりを見回したのですが……そこは、とにかく巨大な病院なのです。ええ、つまり、そのような巨大なものが建てられる場所というのは、いわゆる「僻地」なのですよねえ。こんなところじゃ郵便局どころかコンビニもないわ。ここはほんとに東京なのかしら。
 これだけ巨大な病院なので、病院内に ATM くらいあるのかもしれませんが、なんだか雰囲気に気圧されて面倒くさくなって帰ってきてしまいました。ううむ。

 はぁ、咳とまらない。とりあえず街のお医者さんで充分なのですが、このあたりだとどこが評判いいのかよくわからなくて、なんとなく行きそびれてしまうのよねえ。医者にかかりたい気持ちはけっこうあるのですよ。だって保険料はちゃんとはらってるし、使わないともったいないじゃない。それに医療費もまとまった金額になると税金がもどってくるのよね〜。
 

5月11日(土)
 やはり咳がとまらないのです。咳だけなのですが、こうも激しくつづくと流石にたいへんなのです。頭はボケてくるし(もともと寝ボケているというつっこみは無視)、咳のしすぎで肩までこってるような気がいたすのです。街のお医者さんも適当なところがみつからないので、仕方なく昨日やめた巨大な総合病院に再びチャレンジ。
 が、しかし。
 病院の前まで行って気づきました。その病院、土日は外来患者の受付をしてないようです。がーーん。
 実はゆうべその病院のホームページをみつけて診療時間を確認しようとしたのですが、ページには役にたたない病院概要などがあるばかりで、肝心の診療時間はみつからなかったのです。う、ううむ、熱出そう(あらかじめ電話して聞けよって話もちょっとあるが)。
 しかたがないので、このまま止まらなかったら月曜の午前中にでも行ってみることにするのです。


 
 
5月12日(日)
 夕べはあまりにも咳がとまらず、こりゃたまらん、息とまるわ〜という感じになってきたので、考えあぐねた末にハーブの吸引法というやつを試してみることに。吸引法といっても特別な器具はまったく不要で、洗面器に用途にあわせたハーブを入れて熱湯をそそぎ、その上で深呼吸して揮発成分を吸うだけ。揮発成分が逃げないように、頭からバスタオルをかぶっておくのが唯一のポイントなのよ。
 これ、肌にいいハーブを選んで夜寝る前にやるとけっこうきもちよくて、前になんどか試したことはあるのだけれど、呼吸器に効く草を使えば咳止めになるんじゃないかと思いついたってわけなのね。

 呼吸器に効くものといえば、なんといってもタチジャコウソウ(タイム)かしら。わたくしのアヤシゲなベランダ植物園に、ちょうど花をさかせているタチジャコウソウがあるので、ひとつかみほど摘んできてハサミで切り刻み、ついでに香りづけにローズマリーとカモミールもブレンドして使ってみたのでございます。
 少なくとも湯気を吸ってる間は喉がうるおって楽になるはずなので、気休めのつもりでやってみたのですが、これが思ったよりいい感じなのです。残念ながらピタリと治るというほどの即効性はないのですが、確実に症状がおだやかになってまいりました。医者には月曜に行くとして、それまでのつなぎにはなりそうです。

 ちなみに、生の葉である必要はなくて、ハーブティー用に売られているもので充分ですことよ。それと、湯気はかなり熱いので、深呼吸するときは、最初はそ〜っとやらないとキケンが危ないのです。真似してみようと思った人は注意なのです。
 

 咳のせいで体力を消耗しているせいか、いつもよりぐんにゃりしているわたくしですが、そうかと思えば妙にハイな心持ちだったりもして大変なのです。熱はなさそうなのですが、熱が出るかわりに気分がもりあがっているのでしょうか。
 そんなこんなで、今日は神田の古本屋さんで、ちょっぴり血迷ってしまいました。息がとまるほど咳が出るのに出歩くんじゃねーと自分でも思うのですが、やむにやまれぬ義理があって出かけないわけにもいかなかったのです。
 やむぬやまれぬ用事のほうは早々にすませ、ついでだからと神田神保町の古本屋街をうろうろしたのが運の尽きでございました。古書センターの3階にある鳥海書店で荒俣宏の『世界大博物図鑑 全7巻』を発見して衝動買いしてしまいました。中古じゃなく、新古本というのでしょうか。どこかの本屋さんで眠っていた少し古い版のものなのです。7万円くらいしました。でも定価で買うよりずーっと安いのです。
 ついでに『本草綱目』に出てくる鉱物・植物・生物のカラー写真を収録した本を買ってしまいました。こっちは中国の本で1万5千円。写真もきれいで、ピンイン表記(中国語のローマ字表記)や学名まで載ってて、かなり楽しめる本ですが、簡体字で書いてあるのが微妙に玉にキズ。せめて『本草綱目』から抜き出した単語だけでも繁体字だと気分出るのに。

 ああ、このままじゃ、次は何を衝動買いするかわかりません。明日はマジで医者に行くのでございます。


 
 
5月13日(月)
 そういうわけで、朝から巨大な病院に行ったのですが、10時に受付をすませて待ちに入ったものの、待てど暮らせど順番がまわってこないのです。
 さすがに 2時間待たされたところで「あとどのくらいですか?」と聞きに行ったら「ごめんなさい、あと 3人くらいですね〜」と言われました。何人待ちかわかるのなら、最初に言ってくれれば暇をつぶしてもどってくるのにねえ(もどってこない人もいるだろうけど、そういう人は順番をはずしてもいいじゃない)。

 それにしても 3人は微妙な数字。あと 10人っていわれたのならひとり 5分とみつもっても 1時間くらい余裕がありそうですが、3人ではいつ呼ばれるかわからないのです。結局どうすることもできないまま待たされました。やっと順番がまわってきたのは 12時半。

「どうしました?」
「咳がとまらないのです。熱はないみたいです」
「タンは出ますか?」
「あまり出ません。でもからんで切れないので不快なのです」
「口あけてください。ああ、喉は赤くないですね」
「(そんなこと、喉の痛みでだいたいわかるのよっ)でも、咳がとまらないのです。昼間より夜ひどくなります」
「じゃあ、咳止めとタン切りと、総合感冒薬と、うがい薬だしときますね」
「はあ、そうですか。お世話になりました」
「お大事に」

以上おわり。2時間半待たされて、脈診も聴診もなし。簡単なものなのです。
 こりゃいくらなんでも医者にかかった旨みがないというかなんというか、別に大きな病気をみつけてくれとは言わないけれど、こんなんでよければ医者いらないわよねえ。
 そのまま仕事場へ行くつもりだったので、駅前の薬局で処方箋を見せて薬を買い、電車に乗る前に飲んだのですが、これがまたろくに効き目がなくて、今も咳がつづいてます。ええい、わたくしの 2時間半をかえせぇぇ!


 
 
5月17日(金)
 それはともかく、やっと咳がおさまってまいりました。やれやれ、ひどい咳だった。

 ところで、風邪騒動で書くのを忘れていたのですが、先月の日記に書いたステビアが発根して、かなりいい感じになってきました。

ステビア水耕栽培?
(クリックすると大きくなります)

こんなふうに、容器にアルミホイルをかぶせて楊子で穴をあけ、ステビアの芽を刺しておいたのですが……

ステビア水耕栽培?
(クリックすると大きくなります)

このとおり、見事な根っこが生えてます。

 植木鉢に移してみました。

ステビア植えました
(クリックすると大きくなります)

 育つでしょうか?


 
 
5月20日(月)
 よそのサイト でお絵かきのおもひでを語るのがびみょうに流行っているので、わたくしも語ってみようかと思うのですが、珍獣様のご幼少時代は、下のような絵をかくのが大流行でした。

パンダとヒマワリと縄ばしご

「ふむ、メルヘンチックでオリジナリティーに溢れた作品だ」
そう思ったあなたは、まだまだ甘いのです。
 たしかにメルヘンチックではあるのですが、オリジナリティーなど、とんでもございません。珍獣まわりの3、4人のおともだちが、みな同じような構図で、ヒマワリとパンダと縄ばしごを描いていたのです。しかも、この現象は数日間つづきました。誰がやりはじめたのか思い出せません。ただ流行したとしかいいようのない現象でした。

 流行といえば、こんな太陽を描くのもだいぶ流行っていたように思うのです。

パンダとヒマワリと縄ばしご

 なんの変哲もない太陽ですが、みながこのあやしげな顔を描いたものです。なんなのでしょう、この顔は。

 だからナニ? いや、それだけなんですけれどもね。


5月21日(火)
 仕事場の近所に自然教育園という謎の施設があるのです。どうやら上野にある国立科学博物館付属の施設らしく、小さな植物園ていどのものじゃないかなぁと想像はしていたものの、何をするところなのかいまいちよくわからないので入ったことはなかったのです。
 昼休みにちょっとのつもりで入ってみてびっくり。
「な、なんだこれは。ここは本当に東京のど真ん中なのか?(珍獣の仕事場は五反田駅の近く)」
一歩中に入ると、そこは鬱蒼と茂った森でした。敷地的にはおどろくほど広いわけじゃないと思うのですが、夜中に目隠しされてここに連れてこられて置き去りにされたら、ここが東京都内なんだとわかるまでにかなり時間がかかりそうな気がします。そのくらい自然な森林になっています。
 なんでも大昔はなんとか様の屋敷跡だったとかで歴史的にも貴重な土地らしいのですが、今はお屋敷などは一切残ってません。ただ、屋敷の跡地をずーっと保護していたら森と沼地の不思議な空間ができあがっちゃったらしいのですね(あまりにも大ざっぱな説明にムカつく人は 公式サイト へどうぞ)。

 と、書きはじめたものの、この時の話は掲示板にだいぶ書いてしまったので(参照>掲示板のログ)、掲示板には書かなかったことなどを少しつけくわえてみようかと思うのです。

 3月の日記に「白金台でクサイチゴが自生してるのをみつけた」というようなことを書きましたが、自然教育園の森にもクサイチゴがたくさんはえてました。しかも、ちゃんと実がなってる〜(すでに実が落ちてる株もあった)。
 ってことは、珍獣がみつけたあたりのクサイチゴも、もう実がなってなきゃいけないのです。ううむ、うまく結実しなかったのか、それともすでに誰かに摘み取られてしまったのか……?? どっちにしろ、実の時期が終わっちゃってる可能性が大きいのです。はぁ残念。もうちょっと気をつけてちょくちょく見に行っていればよかった。


 
 
5月22日(水)
 また咳がとまらないのですよ。
 医者からもらった薬を飲んでるあいだは少しおさまっていたわけですが、薬がなくなったら、とたんにまた咳がとまらなくなってまいりました。しょうがないので、今日はまた例の病院に行ってみました。
 それにしても、大病院というのはシステムがよくわかりませんねえ。なんだか入り口に自動会計と予約のできる機械があったので、先週もらった受診カードをつっこんで予約のボタンを入れてみたところ「予約はできません」とカードが出てきてしまいます。
 しかたなく、係りのお姉さんをつかまえて
「ええと、2度目なんですけど、予約とかはないのです。どうしたらいいでしょう」
と、聞いてみたところ
「では再診窓口で予約してください」
「は?」
「こちらです」
「は、はぁ」
と、再診窓口にずんずん連れて行かれてしまいました。さっきの機械はいつ使うのだろう(お医者さんから次も来てくださいと言われた人用なのかな)。

「え、ええと、お願いします」
突然つれてこられてしまったので、混乱しつつ受診カードを差し出すと
「今日はどうなされますか?」
あ、そうか、総合病院だから受診したい科を選ばなきゃだめなわけね。
「えーと、先週は咳がひどくて総合診療科でみてもらったんですが、あまり良くならなかったんですよ。そういうときって、どうしたらいいでしょう」
「そうですか、それなら呼吸器内科でみてもらってください」
「はい、じゃあそうします」

 ということで今度は呼吸器内科に。実は先週も呼吸器内科かなぁと思ったのですが、どうも勝手がわからず受付のお姉さんにこんなふうに聞いちゃったのです。
「風邪だと思うんですけど、とにかく咳がとまらないんですよ。どこにかかればいいでしょう」
「それでしたら総合診療科でいいと思いますよ。風邪なんですよね?」
「そ、そうだと思います」
 たぶんこれがいけなかったのね。風邪じゃなく咳を強調すべきだったのでしょう、たぶん。

 受付でわたされた整理番号は 9番(先週は 29番だった)、あたりを見回すと患者さんの数も少ないので、今日はすぐ呼ばれるかな、と思ったけれど、呼ばれたのはそれからたっぷり 1時間後。ううむ、甘かったか。

 でも、これでだいたい待ち時間の予想がついた気がいたすのです。
 先週は 10時ころ受付を済ませ、整理番号 29番で 2時間半待たされたわけだから、150/29=5.1724… ひとり約 5分。かなり患者さん多かったので、大急ぎでやって 5分って感じじゃないかと思うのです。
 今日も 10時ごろ受付をすませて、整理番号 9番だったわけだから、先週のペースでやっても 45分かかるってわけなのよ。でも、今日は患者さん少ないし、人によっては診察が長くかかる場合もあるはずなので、誤差をふくめて 1時間とみれば計算どおり?
 そこで問題なのは、受付でくれる整理番号っちゅうのが朝から昼の受付終了までの通し番号かってことなんだけど、それは 11時すぎに来て受け付けしてみるとちょっとわかるかな。 
 ふっ、次が楽しみだね(って病院通いに期待してどうするんじゃぁ)。

 それはともかく、今日もやっぱり診察があっという間に済んじゃったのですが、ちゃんと聴診などもしてくれて、
「たんが絡んでる音もしますねえ。咳も出てるみたいだし、その様子だと胸のあたりが筋肉痛になったりするでしょう」
「そうなんですよ、いちばんひどかった時は肩までこってました」
「気管支炎になっているみたいですね。たぶん症状がきえるまでに長くかかると思うので、お薬は 2週間分だしておきましょう。咳止めと、たんを切る薬と、抗生物質です」
 ああ、すっきりした。長く待った甲斐があったよ!!

 気分よく病院を出て家を目指して歩き、途中で米 10Kg を購入、そのまま担いで帰りました(おまえ病人じゃないだろう)。

[追記]
 医者で処方箋を書いてもらって近所の薬局に持っていったら、薬剤師さんが変な顔をして
「咳はどのくらい続いているんですか? 痰は出ます? 大変ですね。お大事にしてくださいね」
と、サービスでティッシュを箱ごとくれました。
 もし初めての店だったら、やたらと親切な店だなぁと思ったかもなのですが、普段はこんなじゃないのですよ。ううむ、なんか変な薬でも処方されたのか?
 とりあえず、呼吸器内科でもらった薬はちゃんと効いたようです。少なくとも飲んでる間は咳がとまってます。もらった薬がそろそろ終わるのですが、ちゃんと治っているかしら。

 
 
5月26日(日)
 東京には空がないと言ったのは高村光太郎の妻・智恵子ですが、その東京にも虹は出るのです。

 午後から急に曇りだして、通り過ぎた雨のあとに大きな虹が出た。ちょうど西葛西の島忠まで買い物に来ていたわたくしは、建物のない開けたところまで移動して、空に大きくかかる虹をぼーっと見上げてしまった。東京で見る虹としてはこれ以上ないというほど見事に半円を描いて、内側の虹とは逆の色順で、外側にもうひとつ薄い虹がかかっていた。

 『旧約聖書』によれば、ノアの大洪水のあとに、生き物が死に絶えた大地を見た神は、自分のしたことを嘆いて「これからは洪水によって人を滅ぼすことはすまい。雨あがりの空に出る虹はその証である」というようなことを言ったらしい。なので、この世の終わる時に来るのは少なくとも大洪水じゃないってことになっているみたい。
 でも、虹というのは空気中の水滴がプリズムの役割をして光を七色に分解する現象なので、空気がよごれていると出ないものなのだそうです。だとすれば、人が空を汚し神との契約書を破棄したら、やっぱり大洪水が起こるんじゃないのかしら。そういえば大気汚染は地球温暖化の原因にもなるのでしょう? 南極の氷やヒマラヤの氷河がとけだしたら、たぶんものすごい大洪水になるはず。
 いつだったか、そこらで布教している某宗派のオバサンたちをつかまえてそんな話をしてみたら(するなよ)、
「都会ではそうかもしれないけど、世界中のどこかには、きっと虹が出るから大丈夫ですよ」
なんて、にこやかに言われてしまいました。
 それもそうね、噴水にも霧吹きにも虹は出るし。人類が滅亡することが本当にあっても、虹が出なくなることは絶対にないかもしれない。
 

5月27日(水)
 おしごとが佳境に入ってきたらしい。わたくしの作業は逆によゆ〜が出てきた感じなのですが、これからは企画やプログラマーの人たちが過密スケジュールになるのでせう。今日は企画のえらい人が胃痛で食べ物をうけつけなくなり、緑色の胃液を吐いたというので病院おくりにされていました。う、ううむ、壮絶だ。さすがに胃液が緑になった経験はないわ。
 ものをつくる仕事というのは、それなりに好きでなきゃできないことなので、仕事と趣味の境界線が見えず、つい根性出して働きすぎちゃったりしがちなんだよねえ。
 

5月28日(水)
 緑の胃液の人はしっかり復帰していました。1日くらい休めばいいのに。突然ぶっちぎれて長期病欠になっちゃうより適度に休んだほうがいいと思うなぁ。いつも誰よりも早くに出社してる人だしさ。


 
 
5月29日(水)
 東京ビッグサイトにペンギン狩りに行った。つまり Linux とかゆう OS のショーである。
 い、いや、純粋におともだちにつきあってるだけで、わたくし Linux なんて使えないのですよ。パソコン歴 13年のうぶな初心者ですもの、まだまだですわ、おほほほ。でも突然ゲイツが失脚して、世の中からウィンドウズがなくなっちゃっても余裕ぶっこいていられるようにペンギンとも仲良しさんになっておこうと思うんです。オウサマペンギンとコウテイペンギン、どっちが大きいか知ってますか? わたくしは知ってます(なんの意味があるのやら)。

 ほんとのこというと、各メーカーさんが配っているペンギングッズ(ぬいぐるみ、ソフビ人形のたぐい)が目当てだったのですが、今年はどこのブースでも飾っているだけで配ってはいませんでした。どこぞのコンパニオンのおねえさんたちが、ペンギンのぬいぐるみを片手に「アンケートにご協力ください」と誘惑じゃなくて、勧誘していたので近づいてみたら
「旅行券が当たります。このペンギンは当たりません」
って言われてしまいました。
「だったらやめます。当たらない旅行券より、当たるペンギン希望」
と言って立ち去りました。

 いや、まあ、純粋にペンギンしか見てなかったかっていうと、多言語環境とかにも興味アリなので、いろんな国の言葉を入力するためのシステムを研究しているユーザー会のブースを覗いたりしたのですが、残念ながら今回は実用化される前のものしか出ていなくて、プログラムの時につかうライブラリーとかだったら、サクサクっとアラビア語を入力できるやつなんかあったりして面白そうだったけど、珍獣にはむずかしくてダメでしたわ。

 そんなわけでペンギン狩りに失敗したわたくしですが、帰りにモモスズメという蛾をみつけて写真をとりました。

◎珍獣様の博物誌・モモスズメ
http://www.geocities.co.jp/Technopolis/7948/n_histri/sa-so/marumb01.htm
 


 
 
5月31日(金)
 おしごとで作っているもののβ版 ROM が焼き上がるというのでテストプレイにおつきあいして人々を困らせてやった。
 なんでかよくわからんのですが、わたくしがやるとバグが出るのだね。おっかしいなあ、普通にやってるんだけど。
 でも、β直前とかにでかいバグをみつけられても困るわよね、たぶん。気がつかなきゃすむかもしれないのに、みつけたら修正かけなきゃなんなじゃない(まだβだから、致命的でないものなら後回しにするんでしょうけど)。
 

 うちの会社は、もっとでっかい会社からの下請けでソフトを作っているのですが、でっかい会社のほうにもテスト用の人たちがいて、ものすごい形相でたまに血を吐いたりしながら、わたくしが書いたところをテストしてたりするのです(想像)。ありがたやありがたや。
 そういうテスト要員のひとたちから来る不具合の報告を読むのがわりと楽しみ。

 珍獣はいちお〜物書きなので、珍獣のところに来る不具合は、誤字脱字、ことばづかいのあやまりなどで、たいていの場合は素直に修正して終わりです。珍獣の館では純粋にタダでもの書いてるので、間違いを指摘されても気分が乗らないと「あっそう、どうもね」とか「へえ、そうなの。だから何?」って感じなのですが、お金かかってるとけっこう素直なわたくしなの。

 でもたまに、ぜんぜん間違っていないものに「修正してください」なんて赤ペンが入っていると、むらむらと燃えてくるのだね。いや、もちろんお仕事なのでケンカ腰にはなりません。テスターの方々だって、仕事と思えば普段なら見逃すようなことにまで丁寧にチェックを入れてくださるのですから。
 でも、納得できない点まで言いなりに修正していたら、準拠するすべての部分に修正をかけなきゃならないかもしれないので、「こういう理由で間違いじゃないと思うんですよ」なんて必要以上に丁寧にお返事を書いたりしてしまったりするわけだね。
 どういう理由で、そのままでいいのか自分なりに考えをまとめてみると、今まではなんとなく雰囲気で書いていた部分が急にクリアになって、自信が出たり(その逆に陥ることもないとはいえないが)して、やってみるとかなり楽しいのですわ。わたくしって、ひょっとするとものすごくヒマなのかも。

 しかし、テスターの人たちのありがたいこと。わたくしときたら、細かい修正が超キライで……いや、キライでもお仕事ならやらねばならんとは思うのですが、とある理由でやる気は限りなく0に近づいていたりするもので、よくぞまあ、こんな穴だらけの文章を細かく読んでチェックしてくれるものだと、心の中で手をあわせ、みなさんの幸せを祈ったりしてしちゃったり……気持ち悪いからやめろって言われそうなので、関係者が読んでいてもテスターの人たちに伝えたりしないでくださいね。

 かぎりなく0に近づいたやる気の理由はいろいろあるのですが、いちばんウンザリしちゃうのは、同じことを何度もやらされたってことかもなのね。
「今日までの作業は終わりました」
ってファイルを渡すと、
「次は、こういう直しをしてください」
って上から指示があるわけですが、
 自宅で指示どおり修正をかけていると、会社のほうで(でっかい会社のほうじゃなくて、うちの会社で) "同じファイル" を別の人が修正してたりすんですよ。この意味がおわかりでしょうか。同じファイルを同時に複数の人間がいじくっちゃったら、微妙にちがうものが複数できちゃうってことなんですよ。1個じゃなきゃいけないのに!
 小さなファイルならどうにかなるでしょうが、何万行もあるテキストファイルなのですよ。ファイルの差分を検出する diff という便利なものがあるとはいえ、さすがに何万行もあるとチェックしにくいのです。
 会社で修正してたヤツは自分がなおしたところにコメントを入れたらしいのですが、コメント行だけでも何百行もあるわけで、その中からアンタが入れたコメントをどうやって検出するのだね。検索用に決まり文句か記号でも入れてありゃ話は別だけど、そうじゃないみたいだしさ。

 ええいっ、素人じゃあるまいし。修正したけりゃしていいから、するって言ってからにするのだ……と言いかけて気づいたんだけど、ひょっとしてコイツ 1年前まで素人だったんじゃないか?
 お〜の〜!
 コイツもわるいが考えなしに指示しちゃう上のやつも悪いぞ。新人を鍛えるなら、迷惑にならんように鍛えてくれたまえ。ビシビシと。相手がわたくしだからいいようなもので(良くはないけど)、もっと偉い人のファイルをぶちこわしたら、どうやって責任とる気だ、おい。
 「そこまで言うならおまえが鍛えてやれ」という声もありそうなのですが、わたくしが鍛えると泣くまでやっちゃいそうなので手を出したくないのだよ、ほほほほ(これはかなり本当)。
 いや、わたくしもこういう仕事をしょっちゅーしてるわけじゃないのよ。素人なのよ、本当なのよ勘弁してなのよ。でも、使えないヤツにつきあってダラダラ仕事してるとこっちの作業がいつまでたっても終わらねぇぇぇって感じなのよぉ。そう思ったら自分が賢くなるしかないでしょう。

 パソコンの使い方など別に小難しいこともなくて、ほんのちょっとしたポイントなんだけどもね。自分がしようとしてることを便利にするにはどうすりゃいいのか考えて、必要に応じて必要なことを調べて使うだけ。あたしゃ入門書のたぐいを 1冊も読んだことないけど、なんとかなっちゃってるし。
 目的はいかに便利にするかであって、人をパソコンの奴隷にすることではないわけ。根性で切り抜けようなんて、思っちゃいけないのかもしれないのだね。とにかく手を抜くことを考えるのだ。手を抜いた結果、根性でやるより多くの仕事ができるように手順を考えればいいのだ。さすれば道は開かれるであろう。

 まあ、理屈どおりに行かないからゲイツを呪ってる人は多いんだろうけど、うひひひ。


 
 
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