女神、陰部を焼かれて死ぬこと
『古事記』より
不定形でどろどろしていた地上を固めるためにやってきたイザナギ神とイザナミ女神は、最初の陸地で結婚の儀式をして、たくさんの神様を生み出しました。
最後に火の神を生んだ時、その神の力があまりにも強かったので、イザナミ女神は陰部を焼かれ、病の床に伏してしまいました。
女神が苦しみのあまり嘔吐するとカナヤマビコとカナヤマビメという男女の神が生まれてきました。どちらも鉱山の神様です。
また、苦しみのあまり垂れ流した糞からは、ハニヤスビコとハニヤスビメという男女の神が生まれてきました。土器や埴輪を作るのに使う粘土の神様です。
そして苦しみのあまり垂れ流した尿からは、ミツハノメの女神とワクムスヒの神が生まれてきました。水と生産の神様です。
イザナミ女神は火の神を生んだことで苦しんで、とうとう死んでしまいました。
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先日ご紹介したイザナギ・イザナミ神話の続きです。女神の吐瀉
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物や糞尿から神様が生まれてきたりして、かなーりスカトロ系のお
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話になっています。
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それはともかく、みなさん、火のおこし方を知ってますか?
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くぼみを作った板に、棒を刺してキリを揉むように擦るんです。
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何かに似てませんか?
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そうです、男女のいとなみです。
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くぼみのある板が女の人で、棒が男の人です。
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古代人は、生きるために必要な火をつくる行為と、子作りにはげ
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む男女の姿を重ねて見ていたのでしょうね。
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火起こしに使った板の穴は摩擦熱で焦げてしまうと思います。勉
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強不足でまだこのやり方で火を作ったことがないのですが、焦げた
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穴でもう一度火をおこすことはできないんじゃないでしょうか(彫
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る直して新しくすればいいでしょうが、同じ穴を使わず隣に彫りま
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すよね)。
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火の神の血から雷の神が生まれてくるのは、落雷のあとに火事が
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起こるのと関係しているかもしれません。
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また、火を生んで死んだ女神の吐瀉物や糞尿から鉱山と土の神が
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生まれてくるのは、火山の噴火とも関係しているかもしれません。
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余談ですけど、『ヤマタイカ』という漫画に「日本でもともと崇
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拝されていたのは太陽神ではなく火の女神だったんじゃないかとい
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う説が出てきます。
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火を生んで死んだイザナミ女神は、本来は火の女神として崇拝さ
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れるべき神様だったのかもしれません。ところが、後に大和朝廷を
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作る民族が大陸からやってきました。彼らは太陽の神様を崇拝して
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いたので「日は火の素で同じものである。むしろ火の素である日を
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崇拝するのが筋というものだ」と、崇拝する対象をすり替えたので
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はないかというのです。
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イザナミ女神は地位を追われて死者の国の女王になり、女神の夫
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の血筋から太陽神・天照大神が生まれてきます。
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