カダ
水中に化蛇が多い。そのかたちは人のような顔で豺(やまいぬ)の体、鳥の翼をもって蛇行し、その声はわめくよう。これが現れるとその地方に洪水がおこる。 (中山経二の巻)
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これまた異常気象に関連する蛇である。翼が2枚しかないので昆虫ではなさそうだ。やまいぬのような身体というのは、蛇なのに毛が生えているという意味だろうか。ならば鳥かもしれない。鳥なら全身が羽毛に覆われている。
アジアヘビウという鳥がいる。ウの仲間にしては異様に首が長く、泳いでいる姿は蛇を思わせる。泳ぎがうまく「水中に」いるという条件にも合いそうだ。 しかし、ヘビウだとすると「人のような顔」というのはおかしい。鳥でもフクロウのように目やくちばしが平面的についていると人の顔のように見えるが、ヘビウには長いくちばしがあって、残念ながらあまり人面っぽくはないのだ。 |
長い首だけ水面から出して泳ぐ。 |
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