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珍獣日記ぼたにかる(画像付、ほんとに重いよ)
日時: 2003/06/18 08:35
名前: ちんじゅう

 ゆえあって、掲示板を閉じることにしたので、このコーナーもこれにて終了となりました。栽培日記をつけていると普段見逃しているようなこともよく見るようになるので、自分のために別の形での継続も考えましたが、今のところこれといって面白い方法も思いつきません。見てくれてたみなさん、途中で放り出してすみません。



 あるいは珍獣の食卓・園芸編。どう考えても食えるものばかり作ってしまいそうな春のはじまり。

 つっこみは随時いれてくださってかまいませんが、場合によっては後々 webページ にするかもしれないので「○○さんにこういわれたので…」とか「××さんはこう言っているけれど」という具合に、好き勝手に利用される可能性を秘めてます(…と書くと、誰もつっこみを入れない法則)。

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Re: 珍獣日記ぼたにかる(画像付、ほんとに重いよ) ( No.22 )
日時: 2003/04/24 21:08
名前: ちんじゅう

4月24日(木)
 曇り。
 タイムにもつぼみが付き始めた。写真にとってみたけれど、小さすぎてどうやってもピントが合わなかった。

 タイムも一種類じゃなくて、Thymus 属の総称だってことだ。うちにあるのは、たぶん コモンタイム(Thymus vulgaris)というやつじゃないかと思う。でも、この種は這わずに立ち上がる特性があるという。うちにあるのはそのあたりがとても微妙だ。この春に新しくでてきた枝は確かに立ち上がっている。けれど、木質化した古い枝は地面と平行にくねりながら伸びているからだ。ひょっとすると這性のタイムのどれかかもしれないし、何かとの交配種なのかもしれない。

 ハーブの類には魅力的な和名の付いているものが多い。
 Thymus 属のことを、和名ではイブキジャコウソウ属といい(ジャコウソウ属というまったく別の植物群もあるのでちょっと紛らわしい)、コモンタイムのことはタチジャコウソウという。這わずに立ち上がるからだ。ヒャクリコウ(百里香)という呼び方もある。
 どちらにせよ、香りの良さをあらわした名前だ。ジャコウ(麝香)というのはジャコウジカの臭腺から取れる香料のこと。日本在来種のイブキジャコウソウは麝香の香りに似ているそうだが、残念ながらほんものの麝香もイブキジャコウソウも見たことがない。

 タイムはある方法で簡単に増やすことができると聞いて試したことがある。挿し木のようで、挿し木とはちょっと違う方法だ。

 まず、針金をU字に曲げたものを作っておく。髪の毛をまとめるときに使うU字ピンのようなものがあれば丁度いい。そうしたら地面に近いところにあるタイムの枝を、U字ピンで地面に固定して、固定した部分に土をかけてしまう。このまま放っておくと土に埋もれた部分に根が生えてくるから、切り取って独立させれば新しい株のできあがり。

 去年はこれでうまく株を増やし、一時期は親株よりも元気に茂っていた。なのに真冬の寒い時期に何が悪かったのか枯れてしまった。この草で花壇の隙間を埋めたら、暖かい日に香っていいだろうと妄想していたのでちょっと残念だった。

タイムについての伝説
ケンコーコム・タイム(タチジャコウソウ)icon
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Re: 珍獣日記ぼたにかる(画像付、ほんとに重いよ) ( No.23 )
日時: 2003/04/25 18:14
名前: ちんじゅう

4月25日(金)
 曇り。


ナタマメ 4/22

ナタマメ 4/25


 白いバンで珍しい野菜を売りに来るおばさんから去年の秋に買ったナタマメ。食べずにとっておいて、数日前に水に浸した。だいぶふやけてきたので土にまいた。これだけ大きいと、まくというよりは埋めるといったほうがしっくりくる。熱帯の豆なので、気温が上がらないと芽を出さないかもしれない。早く晴れてくれないかな。

 ナタマメは若いサヤを野菜として食べたり、育った豆をよく煮て潰し、あんこにして食べる。花も食べられる。豆は滋養強壮によく興奮作用があるそうで、赤穂浪士が討ち入り前に煮て食べたという話をテレビで聞いたことがあるのだけれど、裏付けになりそうな資料がまだみつからない。

 うまく育ったら このへん に追加する予定。
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Re: 珍獣日記ぼたにかる(画像付、ほんとに重いよ) ( No.24 )
日時: 2003/04/27 09:55
名前: ちんじゅう

4月26日(土)
 朝方まで雨。昼間は晴れ、夜はまた雨模様。
 富士山麓まで行ってたので、この日は何もなし。
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Re: 珍獣日記ぼたにかる(画像付、ほんとに重いよ) ( No.25 )
日時: 2003/04/30 21:28
名前: ちんじゅう

4月27日(日)
 晴れ。
 イングリッシュラベンダーの苗をみつけたので買ってみた。ひと株 298 円だった(写真は 3 株分)。品種名はわからないけれど、お店で売ってる乾燥したラベンダーと同じ香りがする。来年もうちょっと増えたらいろんなことに使ってみよう(関連 >>21)。


イングリッシュラベンダー

イングリッシュラベンダー


 ヒョウタン、ワタ(綿花)、トカドヘチマの種をまいた。普通のヘチマの種は、あっちこっち探したけれどみつからない。うっかり捨てちゃったかなあ。ひょんなところから出てきそうな気はするけど、その頃には種まきの季節は終わっていたりするのよね。
トカドヘチマの種  
ワタの種  


謎の花 日々いろんな花が咲く。アフリカンデイジーかもしれない花も次から次に花を咲かせている。先日、HNK の「楽しい園芸」を見ていたら、アフリカンデイジーと呼ばれているものには 2 属あって、ひとつはディモルフォセカ属、もうひとつはオステオスペルマム属というのだそうだ。ディモルフォセカ属は一年草なので冬になれば枯れてしまうらしい。
 うちにある謎の花は真冬でも葉が茂っているのでディモルフォセカじゃない。だったら宿根草のオステオスペルマムなのかと思い、あちこちのサイトで写真を見たけれど、やっぱりなんだピンとこない。手強い!(関連 >>14


 手強いといえば、うちにはポピーの仲間が生えている。これも何ポピーなのかわからない。花は寝ぼけた感じの赤っぽいオレンジで、花屋さんにあるポピーなんかよりずっと小振りの花を咲かせる。毎年勝手に種を飛ばしてあっちこっちから生えてきてしまう。よっぽど繁殖力が強いのか、うちにかぎらず江戸川区内全域で見かける。珍しい種類とは思いにくいけれど図鑑を見てもそれっぽい写真がみつからない。

謎のポピー
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Re: 珍獣日記ぼたにかる(画像付、ほんとに重いよ) ( No.26 )
日時: 2003/04/28 21:23
名前: ちんじゅう

4月28日(月)
 マンネンロウは咲き終わり、タチジャコウソウが花の盛りを迎えた(やっぱり和名で書くと格調高いわね)。タチジャコウソウことタイムの花は小さくてうまく写真にとれない。カメラ買おうかな…でも、性能を求めると高いし、稼ぎにほとんど結びつかないから完全に無駄遣いになってしまう。

花薄荷(オレガノ)
 しばらく前に植えたオレガノ(>>5)は、あっという間に大きくなって今はこんな具合。オレガノの和名は紫蘇薄荷。漢字で書くと堅苦しい。でもシソハッカと片仮名で書くと軽薄で座りが悪い。

 同じオレガノ属で、マージョラムというやつは、和名を花薄荷といって、こちらはだいぶやわらかい名前だ。けれど、片仮名でハナハッカと書くと、たちまち安っぽくなるから不思議。

 スペインの詩人フアン・ラモン・ヒメネスの散文詩『プラテ−ロとわたしicon』を初めて読んだのはいつだったかもう忘れてしまったけれど、ノーベル文学賞作家の作品ばかり集めた何冊にもわたる分厚い本を図書館で借りて読んだのだ。訳者は長南実という人だった。

「プラテーロは小さくて、むくむく毛が生え、見たところあまりやわらかいので体全体が綿でできている、骨なんかないとさえ言えそうだ。黒玉いろの瞳のきらめきだけが、まるで黒水晶の甲虫みたいにこちこちしている」
 そんなふうに始まる文章がやけに気に入って、バカみたいに全文を書き写した記憶がある。こちこちしている、なんて出てきそうで絶対に出てこない言葉だ。スペインのアンダルシア地方。その片田舎にあるモゲールという田舎町を舞台にした何気ない日常をつづっている。でもエッセイじゃないし、小説でもなくて、読めばあきらかに詩だとわかる文章だった。詩であることに気づかずに読むと、退屈なお話かもしれない。

 その本に、ハーブの名前がいくつか出てくる。どんな場面に出てきたかは、とんと思い出せないのだけれど、花薄荷という言葉だけはよく覚えてる。訳者の長南実さんは花薄荷にマヨラナと片仮名をふっていた。花薄荷という漢字表記にマヨラナというやわらかい響きの仮名がとても似合って夢のような心持ちがした。

 どんな植物なのか、その頃は知らなかった。図鑑やハーブの本を読むと、マヨラナというのがマージョラムと同語源らしいことがなんとなくわかった。そして同属のオレガノのことをワイルドマージョラムと呼ぶことも。どちらも見た目はよく似てる。スペインに生えているのはどちらだろう。両方とも生えているかもしれない。どちらでもいいことだけれど、ヒメネスが mayorana という言葉でどんな花のイメージを呼び出そうとしたのか気になった。

 プラテーロというのは作者のヒメネスが実際に飼っていた灰色のロバの名前だそうだ。日本語なら白銀号とでも言うのだと思う。ラプラタ川(la Plata)のプラタと同語源の言葉だから。
 英語のプラチナとも一緒だけれど、英語を持ち出すと急にイメージが陳腐になる。紳士気取りの店員がぴかぴかのショーケースで守っているゼロが五つぐらいついたブランドものの指輪なんて、この場合あまり想像したくない。

 モゲールはウェルバという街から大きな河を越えたところにある。何もない小さな村だった。どこかにヒメネスの記念館があるはずだったけれど、なんの準備もせずにふらりとでかけたのでみつからなかった。だだっぴろい麦畑。まっすぐな畝を見れば巨大なトラクターで大規模に耕して作っているのがわかる。こんなのはヒメネスの時代にはなかったかもしれない。けれど、白い馬が荷車を引いていたし、村はずれの空き地で小一時間ぼーっとしていたのに、車一台通らなかった。バルセロナでオリンピックが開催される一年か二年くらい前のことだ。
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Re: 珍獣日記ぼたにかる(画像付、ほんとに重いよ) ( No.27 )
日時: 2003/04/30 19:05
名前: ちんじゅう

4月29日(火)みどりの日
 晴れ。出かけていたのでこの日も特に何もなし。

ヤマクラゲ
ステムレタス(ヤマクラゲ)の育ち具合。
関連>>>1-2, >>16
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Re: 珍獣日記ぼたにかる(画像付、ほんとに重いよ) ( No.28 )
日時: 2003/04/30 19:03
名前: ちんじゅう

4月30日(水)
 曇りときどき雨。

カタバミの一種
カタバミの一種
カタバミの一種

 昭和天皇は草花が好きで「雑草という草はありません」ということをよく言ってたらしい。陛下のお人柄をあらわす言葉としてよく紹介されるけれど、野草に興味がある人なら、たいていみんな同じことを言う。畑の作物や園芸植物の邪魔になるからといって抜かれてしまう草は、ひとつひとつ違う形をしているし、どれにも立派な名前がある。

 この季節はいわゆる「雑草」の花も次々に咲いて忙しい。近ごろ一番光っているのは左の写真のようなカタバミの仲間だ。
 最初はムラサキカタバミ(Oxalis corymbosa)かと思っていたけれど、ムラサキカタバミの花はたいていもっと薄いピンクで、こんな濃い色の花にはならない。抜いてみると根っこがごく小さな大根みたいに太くなっている。ムラサキカタバミのは細い根っこだったような気がする。

 カタバミ属の植物の名前をいくつか調べてみると、イモカタバミ(O.articulata)というのと、ベニカタバミ(O.brasiliensis 別名ブラジルカタバミ)というのが写真のものに似ているような気がした。

 イモカタバミは名前の通り根が芋のようになりムラサキカタバミより濃い色の花を咲かせる。ベニカタバミはイモカタバミに似て葉に光沢があるのだという。そういわれてみればうちで咲いているカタバミの葉にはビロードの布に光をあてたときのような光沢がある。

 花を分解してみると、雄しべが赤黒い色をしていた。写真でみるかぎり、イモカタバミの雄しべは白っぽい半透明だ。やはりベニカタバミのような気がする。

 夜になると花を閉じ、昼にはまた開く。今日みたいな雨の日も花が閉じている。カタバミの仲間はみんな同じ性質がある。

<カタバミ科カタバミ属の見分け方>
 ざっと調べてみたけれど、実物をたくさん見て見分け方を覚えないと難しそう。葯の色など、明確にどの部分のことを言ってるのかよくわからない。花粉そのものの色とは違うのだろうか。

カタバミ Oxalis corniculata
 カタバミの仲間としてはもっともよく見かけるもので、どこにでも生えている。葉は緑色で花は黄色。ガラスペンの先みたいな種をつける。熟した種はさわると勢いよくはぜる。

アカカタバミ Oxalis corniculata f. rubrifolia
 これもよく見かける。葉が赤くなるカタバミの品種。花は黄色。ガラスペンの先みたいな種をつける。熟した種はさわると勢いよくはぜる。

ムラサキカタバミ Oxalis corymbosa
 これも、かなりあちこちで見かける。カタバミより大きく、花は薄いピンク。あまり立派な花なので栽培品種だと思ってる人もいるかもしれない。葯(花粉をつける部分)が白い。この種は種をつけない。

イモカタバミ Oxalis articulata
 別名フシネハナカタバミ。ムラサキカタバミに似て花の色が濃く、葯が黄色。根が芋のような塊茎になる。

ベニカタバミ Oxalis brasiliensis
 別名ブラジルカタバミ。イモカタバミに似て葉に光沢がある。

ハナカタバミ Oxalis bowieana
 ムラサキカタバミに似て葉や茎に毛が密生する。
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Re: 珍獣日記ぼたにかる(画像付、ほんとに重いよ) ( No.29 )
日時: 2003/05/01 16:13
名前: ちんじゅう

5月1日(木)
 晴れ。
 日向は暑いくらいなのに日陰に入ると肌寒い。

アジサイの小さな花芽

 去年はちっとも花芽がつかなかったアジサイに小さなつぼみがついた!(関連>>13


 昨日のカタバミをほじくり返してみた。

ベニカタバミ(仮)の特徴

ベニカタバミ(仮)とムラサキカタバミ 写真1

ベニカタバミ(仮)の根 写真2


ベニカタバミ(仮)の葉 写真3

ベニカタバミ(仮)の花の裏側 写真4


写真1: 左の小さいのがベニカタバミ(仮)で右の大きいのがムラサキカタバミ。
写真2: ベニカタバミ(仮)の根っこ。大根のようだ。
写真3: ベニカタバミ(仮)の葉。
写真4: ベニカタバミ(仮)の花の裏側。萼が赤黒い。

 葉: 濃い緑、小さめ(1.5cm)
葉表: 無毛
葉裏: 微網あり
 茎: ほとんど無毛、赤みがかる
花色: 濃いピンク
葯色: 黄色
しべ: 雄しべ、雌しべとも赤黒い
 根: 大根のよう

 葉の大きさは、3 枚で作る円の直径ではなく、ハート 1 枚の根元から葉先までの長さ。
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Re: 珍獣日記ぼたにかる(画像付、ほんとに重いよ) ( No.30 )
日時: 2003/05/02 12:38
名前: ちんじゅう

ムラサキカタバミの特徴

ムラサキカタバミ 写真1

ムラサキカタバミ 写真2


ムラサキカタバミの葉 写真3

ムラサキカタバミの根 写真4


写真1: ムラサキカタバミの花
写真2: 花(拡大)
写真3: ムラサキカタバミの葉
写真4: ムラサキカタバミの根

 葉: 明るい緑、大きめ(3cm)
葉表: 無毛
葉裏: 無毛
 茎: 微毛あり、白っぽい緑。根元が赤みがかることも。
花色: 薄いピンク
葯色: 白
しべ: 雄しべ、雌しべとも白
 根: 牙型の塊茎(?)が付く
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Re: 珍獣日記ぼたにかる(画像付、ほんとに重いよ) ( No.31 )
日時: 2003/05/02 00:28
名前: ちんじゅう

カタバミアカカタバミ


カタバミ カタバミ

カタバミの種 カタバミの種

アカカタバミ
アカカタバミ

 カタバミとアカカタバミは、ムラサキカタバミにくらべると葉も花も小さい。ムラサキカタバミには種はできないが、カタバミとアカカタバミには種ができる。

カタバミ
 葉: 明るい緑、小さい(1cm)
葉表: 無毛
葉裏: 無毛
 茎: 微毛あり
花色: 黄色
葯色: 白
しべ:
 根:


アカカタバミ
 葉: 赤紫、小さい(1cm)
葉表: 無毛
葉裏: 無毛
 茎: 微毛あり
花色: 黄色
葯色: 白
しべ:
 根:
メンテ

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