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しばられ地蔵の縄解き供養(東京都) |
君は地蔵の素顔を見る?!
天台宗業平山東泉寺南蔵院 東京都葛飾区東水元2-28-25 JR/京成金町駅から徒歩 20 分 京成バス「地蔵前」から徒歩 3 分 [google地図で確認] 大岡裁きで有名なしばられ地蔵が安置されている。金町駅から散歩気分で歩いてもいいし、駅南口から(京成バス戸ヶ崎操車場行き)に乗って「しばられ地蔵」で下車すれば近い。大晦日の深夜に地蔵の縄を解く法要が営まれる。 葛飾区にある南蔵院のお地蔵様は、荒縄で縛ると願いをかなえてくださるというので有名です。今回は大岡政談で有名なしばられ地蔵の縄解き供養を見に行きました。写真が多くて表示に時間がかかるかもしれませんが気長に眺めてくださいね。 珍獣様の語り部屋
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ここのお地蔵さんはいつも荒縄でぐるぐる巻き。お参りにくる人が願いを込めてしばって行くのです。
名奉行 大岡様が南蔵院の地蔵に縄をかけたら盗賊団もお縄になったという故事にちなんでいます。 |
縄は一年に何度かお寺でほどいているようですが、とくに大晦日の夜は縄解き供養と呼ばれる盛大な法要が営まれます。
法要のあとで一年分(※)の祈りがこもった縄のおたきあげをします。右の写真は火がつけられるのを待っている荒縄の山です。
※このへんは未確認です。ひょっとすると半年分かもしれません。 |
法要は大晦日の 23 時半からです。23 時からは地元の和太鼓グループによる演奏会があるらしく、地蔵堂前の特設ステージでリハーサルをしていました。 |
23時になると司会進行のお姉さんが出てきて南蔵院の歴史やしばられ地蔵の由来を話し始めました。このお姉さんは文化放送のアナウンサーだそうです(放送班は来てなかったみたい)。
おねえさんの話はわかりやすくておもしろいのですが、午前中に大雪がふったりして会場は強烈な寒さ。早く終わらないかなぁと、ひたすら祈り続けました。おねえさんごめんなさい。 |
やっと和太鼓の演奏がはじまりました。水元しょうぶ太鼓のみなさんです。おじいちゃんたちの演奏はさすがにかっこいいんですけど、とにかく寒くて…以下同文。
ちなみに「しょうぶ」は勝負じゃなくて菖蒲だと思います。水元は菖蒲の名所です。 |
しょうぶ太鼓の演奏が終わると、やっと縄解き供養のはじまりです。
このお祭り、そんなに有名じゃないと思うんですけど、雅楽の生演奏までついてて豪華なんですよ。 |
雅楽の演奏をバックに、お坊さんたちがやってきました。 |
若いお坊さんたちが「オンカカカビサンマエイソワカ」とお地蔵様の真言を唱える中で住職が地蔵の縄を解き始めます。大胆にはさみで切ってました。 |
やっと顔が出てきました。ここまでくるのにけっこう時間がかかってます。司会のお姉さんも「顔が出ました!」って実況してました。 |
胸まで見えてきました。とにかく、ぐるぐる巻きになっているのでほどくのも一苦労です。縄の下のお地蔵様は石作りで、赤いよだれかけと頭巾をつけています。 |
頭巾もほどいて新しいのと交換です。よだれかけは取り替えていませんでした。 |
縄をとかれ、頭巾をかぶせてもらってお地蔵様もさっぱりしたお顔をしています。 |
最後に若いお坊さんが妙鉢を鳴らして終わりを告げます。妙鉢というのは左の写真に写ってるシンバルみたいなやつ。
シャーンと打ち鳴らすのではなくて、軽くこすりあわせるようにガラガラガラっと鳴らしてました。想像してたのより目立たない音で拍子抜けしました。 |
しばられ地蔵の全身像をおがめるチャンスは滅多にありません。参拝客がこぞって携帯電話のカメラを向けてました。
このあと、住職が一番縄をかけて、一般の参拝者がつぎつぎに縄をかけるので、あっという間に元通りになってしまいます。 |
解かれた縄に火がつけられました。たちまち炎が立ち上ります。去年のお札や絵馬も一緒に焼いてもらいます。 |
だるまさんもいっしょにおたきあげです。南蔵院では荒縄でしばっただるまさんを「結びだるま」と呼んで縁起物としています。 |
大晦日には、昼間からお寺の庭に市がたって、左の写真のようなだるまさんが売られています。ベースは群馬県高崎市の縁起だるまですが、しばられ地蔵にあやかって荒縄で結んであります。
だるまを買ったら本堂で開眼供養というのをしてもらいます。市で買っただるまさんの左目(向かって右目)にお地蔵様の種字(イニシャルみたいなものです。梵字といってインドの古い文字です)を入れてもらい、お経を読んでもらいます。 ちなみに、開眼供養は特に決まった料金はないようです。奉納とかかれた三方があるので、百円でも、千円でも、払える金額を納める仕組みになってるみたいでした。 |
おたきあげが始まる頃、ちょうど零時になりました。住職が始まりを告げる鐘を打った後に、先着108名の参拝客が鐘をつきます。
左の写真は除夜の鐘の整理券です。法要が始まる前に配っていたのでもらっておきました(配布は22時〜)。 整理券を持っていなくても並んでいれば鐘をつくことはできます。除夜の鐘は108つと言われてますが、実際には訪れた人全員が鳴らすようです。 ただ、整理券を持っていると、鐘をついたあとに何かもらえることがあるみたいなので、可能ならばゲットしたほうがよさそうですよ。 |
立派な梵鐘です。南無大恩教主釈迦牟尼如来と書いてあります。これをみんなで一度ずつついて新しい年を祝います。 |
今年はナントカ部屋のお相撲さんも招かれていて、でっかい酒樽を割って樽酒をふるまっていました。
ぐびぐびっとお酒を飲み干してから除夜の鐘の整理券を受付に持って行くと、振り袖のお姉さんがケーキと交換してくれました。 交換所にも奉納箱があったので千円札をお賽銭として納めました。今年は災害が多かったので、お賽銭の一部を被災地に寄付するということでした。 |
これが除夜の鐘の整理券とひきかえにもらった御利益ケーキです。苺が開いているのは新年の「幕開け」を意味しているのでしょうか。昇の文字は初日の出かな?
直径15cmくらいで、たっぷり二人前ありました。タダでもらったものとは思えないほど美味しかったです。 |
だるまも買ってきました。一番小さいだるまで千円でした。ちゃんと開眼供養をしてもらったので左目にお地蔵様の種字が入ってます。 |
このだるまは、高崎のだるま職人さんたちが作ってるそうです。顔の書き方も高崎の縁起だるまとほとんど同じです。でも、腹に「結」って字が書いてあったり、頭にもお地蔵さんの種字が入っていたりして、微妙に南蔵院仕様になってます。
しばられ地蔵の南蔵院は天台宗で、だるま市で有名な高崎の少林山達磨寺は禅宗だと思うんですけど、どういうご縁でだるまと地蔵が手を組んだんでしょうね? |
心をおちつけ、願いを込めて、オンカカカビサンマエイソワカの真言をとなえながら種字を塗りつぶします。
せっかく書いてもらったのに、ちょっともったいないですが、だるまさんについてきた説明書にも種字の上に目を入れると書いてありました。つまりこのだるまさんの瞳の中にはお地蔵さんがいるのです。 今年もよい一年でありますように。 |
開眼供養の様子は日記にも書きましたので、よろしければどうぞ。
珍獣日記えくせれんと2004年12月(ここの最後のほう) 珍獣様の語り部屋・しばられ地蔵と大岡様関連リンク
これまで当サイトでは「縛られ地蔵」って書いてたんですけど、地元では「しばられ地蔵」とひらがなで書くことが多いみたいなので今回から改めました。 |
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