トウトウ トウトウ
トウトウ

 獣がいる。そのかたちは羊のようで一本角、ひとつ目で耳の後ろに目がついている。名はトウトウといって、鳴くときに自分の名を呼ぶ。(北山経三の巻)--200
 
 
 
 

絵・文とも『山海経』より


 

 ずいぶん前のことだが、ヨーロッパのあるサーカスには真っ白な一角獣がいるというので話題になったことがある。日本のテレビでもニュース映像が流れたが、何かの理由で角が一本にくっついたままのびたヤギだった。

 大内輝雄・著『羊蹄記』という本に、インドのある地方では羊の角を一本にねじり合わせて育て、一角獣として売っていたと書いてある。

 実際にどんなやりかたで角をねじり合わせたのかは書かれていないが、生え始めたころの角に縄をかけて常に中心に向かって力をかけつづければ、変形して一本にあわさるかもしれない。歯の矯正みたいなものだろう。

ユニコーン実在するユニコーン

 このように一本角という特徴はありえないことではない。しかし、いくらなんでも目がひとつで耳の後ろについているというのはあり得ない。この件に関しては郭璞先生も何も書き残してはいない。

一角獣について

 
 
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