ジョヒ
ジョヒ魚
ジョヒ魚
 ジョヒの魚が多い。そのかたちは銚子を伏せたようで、鳥の首に魚の翼があり、魚の尾を持っている。声は磬石(という楽器)の音のよう。この魚は珠玉を生む。
(西山経四の巻)
絵・文とも『山海経』より

 
 
 ところで、この魚(鳥?)の絵、なんだか変じゃありません?
 『山海経』の本文では「ジョヒの魚」だと言っているのだから、もっと魚らしく書いてもよさそうです。

セキジュ(魚)陵魚ソウ魚

 他の魚の絵を見ると、それぞれ異形のものばかりですが、身体にはかならずウロコが描き込まれていて、いかにも魚っぽいデザインになっています。
 なのにジョヒ魚ときたら、横線(魚だとすれば、こういう方向に走る線は縦縞というらしいですが)が無数に入っていて、ウロコがありそうには見えません。一体なぜでしょう?
 

  問題は他にもあります。
 「そのかたちは銚子を伏せたよう」とありますが、『山海経』の時代に使われていた「銚子」とは、どんな形をしていたのでしょう。

 そのことについて、掲示板「珍獣のアレ」で問題提起をしてみたところ、ジョヒ魚については別の見方ができることがわかりました。以下にそのログをご紹介します。


 
 
Re: ジョヒ魚 投稿者:ちんじゅう - 2002/04/21(Sun) 01:51:15
 ジョヒ魚なのですが、「そのかたちは銚子を伏せたようで(其状如覆銚)」という部分にずっと前からひっかかっているのです。そもそも古代中国の「銚子」ってどんな形してるのでしょう(^^;

 あの文章を書いてたとき、パッと頭にうかんだのは「つぎくちのついた柄杓みたいなやつ」でした。おひな様の三人官女の誰かが持ってるやつ。
 でも、『山海経』の時代の中国で使われてた「銚子」の資料がどうもみつからなくて、挿し絵では徳利をよこに倒したみたいな形の鳥が描かれていたし、日本で熱燗をつけるときに使う徳利をイメージして「オオウミガラス」「カイツブリ」あたりを候補にあげてみたのです。
 でも、もし柄のついたアレに似たものだとしたら、まるで形がちがうのですよね…

 あらためて『全釈漢文大系33 山海経・列仙伝』を開いてみると、

「銚」には二つの意味があり、かなえに似た形でしるなどを温める道具の場合と、大きなすきをいう場合とがある。前者は後世ではやや変化し、えのついたひしゃくのようなもので、酒などをつぐときに用い、つぐための口がついたもの、すなわち日本でも古く用いられたちょうしの意味になった。ここでは「ジョヒ」という魚がどのようなものか不明なので、銚もどの意味で用いられたのか、確定のしようがない。
と、書いてあるのです。
 「かなえ」ってのは「鼎」のことでしょうかしら。ということは、あの足が3本ついてるでっぷりした鍋のような壺のようなやつ?

 ぐへ、これまたまるっきり形がちがうじゃないのよ!


Re: ジョヒ魚 投稿者:ちんじゅう - 2002/04/21(Sun) 01:58:03

◎黄虎洞中國文物ギャラリー・青銅有蓋鼎
http://www.daito.ac.jp/~oukodou/gallery/bronze-15.html

やっぱり鼎って、こんなのよね。
これは激しくイメージちがうわ。


Re: ジョヒ魚 投稿者:ちんじゅう - 2002/04/21(Sun) 02:03:09

こうなってくると、
オオウミガラス・カイツブリ説はあやしくなってくるのよね。
はてさて、どうしたものやら(笑)


Re: ジョヒ魚 投稿者:アヤコ - 2002/04/22(Mon) 11:43:55

嗚呼、海山経の現存の挿絵は後から足されたものだから信用出来ないって頭では解っていても、古代中国に日本の徳利の原型があったのかという疑問があっても、視覚が訴える認識力には引き摺られてしまうものなのだなあと実感。
教科書や参考書の類を引越し時にダンボール詰めしたままなので、こういう時に年表がさくっと出てこないのがもどかしいです。
ネット初心者なので、効率のよい検索の仕方もわからず(泣)
Googleで「中国 古代 酒器」でざっくり検索してみてトップに出てきたHPを拝見したのですが、確かに青銅器時代のお酒を温める器具は、三本足の鼎型みたいですね。(細形もあるみたいです)
これを伏せたら、折り鶴みたいになっちゃう(涙)
水面で首を伸ばして、両翼を広げたカイツブリで無理矢理進めるとか(笑)
2300年前のお酒が入ったまま発掘されたという壷(コ)という入れ物なら、伏せてペンギン系でいけるかもしれませんが、これらをひっくるめて酒器=銚と扱っていたかどうか????
どちらにしろ、ちょっと時代背景的に山海経より古いのかしらん。


Re: ジョヒ魚 投稿者:原田 実 - 2002/04/22(Mon) 15:19:53

故・李学勲の『山海経』解釈は荒唐無稽ながら、ところどころ、これ中っているんじゃないか、というところがあって面白いのですが、その李氏の説だと、ジョヒは真珠貝の特徴を誇張した絵が魚を描いたものと誤解されて、生まれた怪魚だという説でした。これだと、酒器を伏せたような形というのも玉を産むというのも納得がいくと思えるのですが、しかし二枚貝の比喩なら、同じ酒器でも銚子ではなく、杯となるはずでやはり苦しいか。


Re: ジョヒ魚 投稿者:ちんじゅう - 2002/04/23(Tue) 10:44:48

◎鯨飲酒家・酒器
http://hishiki77.hoops.livedoor.com/2-1san/4-geyin/seido/shuki.htm

 ふうむ、たしかに基本的には鼎型ですねえ。

>2300年前のお酒が入ったまま発掘されたという壷(コ)という入れ物

 そういえば正倉院に「漆胡瓶」という水差しがあって、こいつはつぎ口の部分が鳥の頭の形をしていて、いかにもって感じなのですが、『山海経』の時代にこういうものがあったかどうか、また銚子として使われたかどうか、よくわかんないんですよねえ。

◎奈良発見ガイドと生活・正倉院(漆胡瓶の写真あり)
http://tokyo.cool.ne.jp/nara_hakken/gyouji-moyoosi/syousouin.htm


Re: ジョヒ魚 投稿者:ちんじゅう - 2002/04/23(Tue) 11:04:31

>ジョヒは真珠貝の特徴を誇張した絵が魚を描いたものと誤解されて

 がーん、それは気づかなかった!
 たしかに玉を産むという部分に注目すると真珠貝のたぐいは候補にいれとかなきゃねえ。

 真珠って、どんな貝からとれるのかな。
 今はアコヤガイを養殖して作るものだけど、小汚い真珠質の玉だったらアサリからも出るし、古代中国の真珠は何貝からとってたのかしらねえ。

 でもやっぱり、貝をどうやると魚に見える絵にできんのかしら。ううむ。
 あ、でも、かなり苦しいけど「銚子」の形には見えるかも。

◎微小貝貝類図鑑・アコヤガイ
http://shell.kwansei.ac.jp/~shell/pic_book/data02/pearl.html

 この写真だと分かりにくいかもしれないけど、アコヤガイのたぐいって、蝶番の部分(貝殻どうしがくっついてる部分)に耳のように出っ張ったところがあって、シルエットだけ強調すると壺の形に見えるし、鼎=銚子だとすればいけるかも!


Re: ジョヒ魚 投稿者:原田 実 - 2002/04/23(Tue) 11:44:28

>古代中国の真珠は何貝からとってたのかしらねえ。

ジョヒは「淡水魚」のようですが、琵琶湖の淡水真珠はイケチョウガイからとります。で、その写真はこれ。

http://www.lbm.go.jp/publish/umindo/volume13/umind13d.html

中国でも淡水真珠はこの仲間からとるようです。

>貝をどうやると魚に見える絵にできんのかしら。ううむ。

生きている時の二枚貝は足や取水管を伸ばしていますから、貝殻だけから連想するイメージとはかなり違う姿をしています。郭ハクの注ではジョヒには「甲」があるということでそれを貝殻の意味にとれば貝類の誤認というのは悪くないとおもうのですが・・・ああ、またなんかややこしくなったような。


Re: ジョヒ魚 投稿者:ちんじゅう - 2002/04/23(Tue) 13:29:01

>郭ハクの注ではジョヒには「甲」があるということで
あっ、それでわかった。

ジョヒ魚(山海経広注・京都大学人文科学研究所蔵のもの)

 この絵、なんだか背中が固そうに見えるんですよ。
 わざとらしく入ってる横線がハマグリの殻にあるような同心円の横畝に見えるし、魚だとしたらこんな書き方はおかしいんじゃないかと思っていたのです。
 でも、郭璞の注に「甲がある」と書かれているのだとすれば、その特徴のまま書いたのでしょうねえ。

 しかも、改めて全釈漢文大系33を確認したところ、山海経箋疏の著者は「亦珠母なり、蚌の類にして能く之を生出す」って書いてるのね。おもいっきり真珠貝だって言ってるじゃん!

 それで、改めて貝の写真を見ると、アコヤガイだと横線を書き入れるのは不自然な気がするけど、イケチョウガイだったら横畝ができる貝みたいだから、これなら横線を書き入れてもフシギじゃないです。絵師も真珠貝の伝説なんだって知ってて書いてるんじゃないのかしら。

 うーん、でもやっぱり銚子をふせたような形ってのが、ただひとつ納得いかないわねえ。


Re: ジョヒ魚 投稿者:ちんじゅう - 2002/04/23(Tue) 13:40:48

 ちなみに、全釈漢文大系33の訳注によれば『南越志』という本に「海中に文[魚比]がいて、鳥頭魚尾であり玉を生ず」と書いてあるのだそうです。
 『山海経』が記録した鳥鼠同穴山の伝説と『南越志』の伝説が同じものなのか、それともまったく別に発生して偶然同じになっちゃったものなのか、今となってはわからないって書いてありました。
 

 やっぱりこの本すごいわね。
 まあ、わたくしの場合、こういうスゴイ本を持ってなかったからこそ、こんなサイトを作ってしまったわけですが、卒論の資料探しにうちに来る人たち、うちなんか読むより『全釈漢文大系33』を、どうにかして手に入れたほうがいいわよ。

 というわけで、まだ投票してない人は、復刊リクエストにご協力くださいませ。

◎復刊ドットコム・全釈漢文大系33山海経・列仙伝
http://www.fukkan.com/fk/VoteDetail?no=8849


Re: ジョヒ魚 投稿者:原田 実 - 2002/04/23(Tue) 14:42:31

山海経箋疏! うーむ、そんなメジャーなところに真珠貝だと書いてあったとは・・・でもまあ、李さんの話が少しはできたからいいか。しかし、こうなると本当に日本では全釈漢文大系盆が必携ですなあ。


Re: ジョヒ魚 投稿者:ちんじゅう - 2002/04/23(Tue) 16:37:30

李学勲さんというのはどういった方なのでしょう。
この際だから、言いたいことがあったら言っちゃってみてください。
なんだか、近ごろ卒論関係でここにたどり着く人多いので
そういう情報はきっと世のため人のため、そして珍獣様のためになると思います。
なんだか面白いこと言ってそうな方なので、
著書などあれば拝見したく思います。


Re: ジョヒ魚 投稿者:原田 実 - 2002/04/23(Tue) 20:10:08

李学勲氏は台湾で5歳のときからその逝去もで70余年にわたって『山海経』を読んできたという方なのですが、その結論というのが、『山海経』は実は日本列島(ただし北は千島・樺太から南は台湾・フィリピン・インドネシアまで含む)というものだったのですね。したがって動物の種の特定などで、ところどころ面白いところもあるですが、全体としてはトンデモとしかいいようがないことを書いています。この人については、『と学会白書2002』(太田出版)の中で私がとりあげていますので、くわしくはそちらをご高覧下さい。


Re: ジョヒ魚 投稿者:原田 実 - 2002/04/23(Tue) 20:14:00

上記、「日本列島(ただし北は千島・樺太から南は台湾・フィリピン・インドネシアまで含む)日本列島」の跡に、「地理書」というのが落ちました。まあ、破天荒なことは間違いないですね。


Re: ジョヒ魚 投稿者:ちんじゅう - 2002/04/23(Tue) 21:34:39

 世のため人のためになったかどうかはわかりませんが、珍獣様のためにはなりそうです。
 『と学会白書2002』ですね、さっそく手に入れなければ、ふふふふ。


Re: ジョヒ魚 投稿者:ちんじゅう - 2002/04/24(Wed) 00:59:28

もしかして、白書じゃなくて年鑑?


Re: ジョヒ魚 投稿者:原田 実 - 2002/04/24(Wed) 10:23:54

ごめんなさい、年鑑です、ってこのあたり我ながら誤記が多いなあ。気をつけなければ。


Re: ジョヒ魚 投稿者:ちんじゅう - 2002/04/24(Wed) 15:55:52

近所の本屋さんにはなかったので、
図書館で探したら貸し出し中でした。
この〜、人気者めっ(笑)
さっそく予約かけてしまいました。


Re: ジョヒ魚 投稿者:ちんじゅう - 2002/04/24(Wed) 20:40:27

>山海経箋疏! うーむ、そんなメジャーなところに真珠貝だと書いてあったとは

自分で書いておいて、だんだんあやしくなってきたので補足なのですが、『全釈漢文大系33』には正確にはこういうふうに書いてあるのです。

 ジョヒの魚多し[ジョ・ヒの両音]。その状は覆銚の如く、鳥首にして魚翼魚尾、音は磬石の聲の如し。是れ珠玉を生ず[亦玉母なり、亦珠母なり、蚌の類にして能く之を生出す]。
 珍獣が前からよくわからんのは、この[]の中の注釈は、一体誰が書いてるのかってことなのよ。訳者が書いてる注じゃないことは確か。じゃあ郭璞なの?
 でも原田さんの情報によれば郭璞は「ジョヒ魚には甲がある」と書いてるそうなんだけど、『全釈漢文大系33』には、そんなことひとっことも書いてないのです。ううむ。

 なので、箋疏の著者が書き込んだものなのかなぁと思ったのですが、ぜんぜん別のところの訳注に

「『箋疏』では『爾雅』に……とあるのを引き、……として結論を保留している」
なんて事が書いてあるにもかかわらず、その部分を参照しても[ ]内にはそれを臭わせることがひと言も書かれておらず、すると[ ]内の注は箋疏に特有なものではなくて、やっぱり郭璞が書き込んだやつなのかなぁ、なんて思ったりもするわけなの。

 もう、ここらへんになるとわたくしには手に負えないわ。


Re: ジョヒ魚 投稿者:ちんじゅう - 2002/04/24(Wed) 20:50:57

 ただ、ジョヒ魚と同じく、西山経の鳥鼠同穴の山に
 其の中にソウ魚多し[音は騒]。其の状はテン魚の如く[テン魚は大魚なり。口は頷下に在り、體に連甲有るなり。或いは鮎鯉に作る]。


とあって、こっちの魚には連甲だって書いてあるのですよね。(ただし前野さんの訳注では、魚の連甲は鱗がなく固い皮膚が一枚続きになってることを言うと書いてあるけど)。


Re: ジョヒ魚 投稿者:ちんじゅう - 2002/04/24(Wed) 23:44:51

 ぬぅ、やはり[ ]内は郭璞の注のような気がしてきましたわ。というのは、南山経の最初のほうの訳注を読んでいるとそれらしいことが書いてあるので。

 すると「ジョヒ魚に甲がある」という説を郭璞が書いたっていうのは、何を読むとわかるのかしら。う〜ん。やっぱり手におえない〜。


Re: ジョヒ魚 投稿者:原田 実 - 2002/04/25(Thu) 02:31:11

ひえー、私はジョヒとソウギョの注を続けて読んでいました。甲があるというのは「連甲」のことです。と、それならその前に真珠貝だと書いてあることにも気づけよ、自分。お騒がせいたしました。


Re: ジョヒ魚 投稿者:ちんじゅう - 2002/04/25(Thu) 12:02:15

 うはははは。
 いや、実を言うと、わたくしもこの記事をたてたときに前野注は読みなおしたのに本文を読み返すの忘れてて、ちゃんと読んでたら真珠貝らしいことが書いてあったのにーと、わりかし恥ずかしい気持ちなの。まあこれで、[ ]内は郭注だという自信がつきましたわ。

 ジョヒ魚有甲説は消えたので、鳥類・魚類説もまだまだ捨て切れませんわね、ほほほ。

 
 
 途中にいくらか行き違いがありますが、大意を要約すると「ジョヒ魚は真珠貝のことではないか」ってことなのです(郭璞もそう言っているし!)。

 掲示板のログには出てこないので、ここでご紹介いたすのですが、イケチョウガイとは、こんな貝です。

◎微小貝・イケチョウガイ
 http://shell.kwansei.ac.jp/~shell/pic_book/data10/r000940.html
  イケチョウガイのほかにカワシンジュガイという貝からも淡水真珠がとれますが、こっちもイガイ科で貝の形もよく似ています。
 海に棲むアコヤガイ(ウグイスガイ科)とちがって、淡水に棲むイケチョウガイはイガイ科です。フランス料理につかうムール貝に似ていて巨大なものだと言えばピンとくるでしょうか。

 上の URL から写真を見ていただければお分かりのとおり、イケチョウガイには蝶番の部分を中心に同心円状の横線が無数に走っているように見えます。この写真をおもいうかべつつ、もう一度ジョヒ魚の絵を見ると……似てる、たしかに似てる。ジョヒ魚の背中はイケチョウガイにそっくり!

 これでひとつ謎がとけたような気がします。
 『山海経』のもともとの著者が何を意図して文章を書いたのかはわからないけれど、後の時代に挿し絵をつけた絵師は、郭璞の注を参考にして最初から真珠貝(イケチョウガイ)のつもりで絵を描いたのだと思います。
 

 とはいえ、ジョヒ魚=真珠貝説を鵜呑みにしようとは思いません。そもそも「山海経動物記」は、学術的に正しいことよりも、まずは自分の頭で考えてみることのほうを重要視していますので、ふとした思いつきが学説から3万光年離れた宇宙の彼方に飛んでいってしまったところで、あまり問題ではないのです。

 だいいち、掲示板のログにも出てきますが、イケチョウガイはどう贔屓目に見ても「銚子」のようには見えないじゃありませんか。郭璞の注はこっちにおいといて『山海経』の本文だけを手がかりに考えれば、真珠貝をあげるのはかなり苦しい説のように思われます。
 

 でも…


 
Re: ジョヒ魚 投稿者:ちんじゅう - 2002/05/09(Thu) 00:20:25
わたくし、ジョヒ魚真珠概説に転びそうです。
イケチョウガイにはいろんな種類があることが判明しまして、
なかでもヒレイケチョウガイ(Hyriopsis cumingii)と呼ばれるものは、
「殻の一部に魚のヒレ状の出っぱりがある」のだそうですわ。

 ◎ヒレイケチョウガイのイラストがあるページ
 http://members.aol.com/savetheclams/AsiaUnios.html

 このページの、写真は無視してイラストを見てくださいませ。
 ページの中程に4点ならんでいるイラストの、
一番右側のやつがヒレイケチョウガイらしいのです。
ほんとに「ヒレ」があるわ……

Re: ジョヒ魚 投稿者:ちんじゅう - 2002/05/18(Sat) 12:28:43
風邪ひいて血迷って買ってしまった
荒俣宏の『世界代博物図鑑』を見ていて気づいたのですが
海の貝でマベガイという真珠のとれる貝も
「鳥のよう」な貝なのですね。

ウグイスガイ科・マベガイ
学名が Pteria penguin ペンギンの翼ですって。
香港あたりでも採れるらしいです。
そういわれてみれば鳥が飛んでるのを横から見たような形。

ウグイスガイ科って、科名も鳥ですが、いろんな鳥にちなんだ種名がついてるみたい。

ウグイスガイ科・ツバメガイ

ほかにもウグイスガイ、コウライウグイスガイ、フクラスズメガイとか…
売り物になるような美しい真珠になるかどうかはわからないけど、
 たぶんどれにも真珠はできると思うんです。
(アコヤガイもウグイスガイ科ですの)

マベガイよりツバメガイの写真を見るとわかりやすいのですが、
マベガイの仲間の殻には長くのびた棒状の部分(鳥の尾羽の部分)があって、
ここを柄とすれば、注ぎ口のついた柄杓型の「銚子」に似ている…かも?


 
 
ジョヒ魚については前頁もどうぞ

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